パン作りのレシピに当たり前のように登場する「マーガリン」や「ショートニング」。
安価で扱いやすく、家庭でもプロでも広く使われています。
でも一度は「体に悪いって聞いたけど本当?」と疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。
結論から言うと、どちらも摂りすぎれば健康へのリスクがある油脂です。
特に注目すべきはトランス脂肪酸。
心疾患や動脈硬化との関連が指摘され、欧米では規制されている一方で、日本ではいまだに規制がありません。
つまり、知らずに選んでしまえば、毎日のパンが健康を脅かす原因になる可能性があるのです。
便利だから、安いからと無意識に使うのは危険。
一方で「全部ダメ」と決めつけるのも早計です。
正しい知識を持って選ぶことこそが、パン作りを安心して楽しむためのポイント。
この記事では、マーガリンとショートニングの違いや危険性を整理し、どんな選び方をすれば良いのかを解説していきます。
パン作りで使うマーガリンやショートニングはどちらが体に悪い?

パン作りに欠かせない油脂。
バターの代用品としてマーガリンやショートニングを使う人も多いですよね。
でも「どちらが体に悪いのか?」と気になったこと、きっとあると思います。
結論から言えば、どちらも摂り過ぎれば体に良いとは言えないんです。
特に問題になるのがトランス脂肪酸。
これは動脈硬化や心疾患のリスクと関係があると言われ、海外では規制が厳しい成分です。
日本は規制がないので、気をつけないと「知らなかった」で済まない状況になることも。
だからこそ、知って選ぶことが大切なんです。
バターに比べて安価で扱いやすいからと何となく選ぶのではなく、体にどう働くかを意識する。
そうすれば、パン作りはもっと安心して楽しめますよ。

ショートニングとは
ショートニングは植物油を加工して作られる油脂です。
無味無臭で、生地を軽くサクッと仕上げる効果があるので、菓子パンや市販のパンによく使われています。
コストが安く、扱いやすいのも特徴。
だから大量生産には便利なんです。
でも問題は、製造の過程でトランス脂肪酸ができてしまうこと。
体内で分解されにくく、悪玉コレステロールを増やす作用があると指摘されています。
「ふんわりするから」と理由だけで無意識に使うのはリスクが高い選択。
プロが使っているから安全というわけではありません。
家庭で作るなら、量を減らしたり他の油脂に切り替えたり、工夫して取り入れるのが安心です。
マーガリンとは
マーガリンは植物油や動物油に乳成分や水を加えて作られた加工油脂です。
バターより安価で柔らかく、塗りやすいのが魅力。
パン作りでもよく使われていますね。
以前はトランス脂肪酸を多く含んでいたのですが、最近は製造方法が改良され、含有量は減ってきています。
それでもゼロではないので、注意は必要。
そして忘れてはいけないのが風味。
人工的に作られた香りは、やっぱり本物のバターには及びません。
「安いから」と選んでしまうと、健康も味わいも妥協することになってしまいます。
自宅でのパン作りだからこそ、少しこだわって選んでほしいところです。
マーガリンとショートニングの違い
大きな違いは成分と使い方。
マーガリンは乳成分が入っているので、塗ったり混ぜたり幅広く使えます。
一方でショートニングは乳成分を含まず、食感を軽くすることに特化しています。
プロの現場では、風味と食感を両立させるために両方を組み合わせて使うことも。
健康面では、どちらもトランス脂肪酸を含む可能性がありますが、最近はマーガリンの方が改善が進んでいる傾向にあります。
「どちらが体に悪い」と一括りにはできません。
大事なのは摂る量と頻度。
毎日のように菓子パンや市販パンを食べてしまう習慣は、やっぱり体には負担です。
ショートニングに含まれるトランス脂肪酸に発がん性はある?
「トランス脂肪酸は発がん性がある」と耳にしたことがあるかもしれません。
でも実際には、国際機関が発がん性を明確に認定しているわけではありません。
ただし、心疾患のリスクを高めることは示されています。
血管にダメージを与え、生活習慣病の原因になるのは間違いありません。
つまり「発がん性は断定されていないけれど、体にいいものではない」というのが正しい理解です。
軽視して食べ続けるのはおすすめできません。
パン作りでは、できるだけ自然由来の油脂を選ぶことが安心です。
バターや太白ごま油などを取り入れてみるのも一つの方法。
体を守れるのは、自分自身の選択です。

マーガリンやショートニング不使用のパン屋は?

国産小麦・無添加ベーカリーでは取り扱いがある
地域で人気の小規模ベーカリーや職人系パン屋では、国産小麦・無添加を売りにする店があります。
こうした店では、マーガリンやショートニングを使わず、バターやオリーブオイルなど自然な油脂を選んでいるケースが多いです。
ただし「無添加」を掲げていても、イーストフードや乳化剤などが含まれている場合もあるので油断は禁物。
看板に惑わされず、必ず原材料を確認することが大事です。
こだわりの店は価格も少し高めですが、その分安心感があります。
パンを「食べる楽しみ」だけでなく「体を気づかう選択」として買うなら、こうしたお店を味方につける価値は十分あります。
コンビニやスーパーではごく一部に限定される
コンビニやスーパーのパン売り場で「マーガリンやショートニング不使用」を探すのは正直ハードルが高いです。
大量生産ではコストが重視されるため、安価で扱いやすい油脂が優先されるからです。
それでも最近は健康志向の高まりから、ごく一部のシリーズで「無添加」「国産小麦」をうたう商品が出始めています。
ただし、ラインナップは限られ、入れ替わりも早いのが現実。
もしスーパーで見つけたいなら、原材料表示のチェックが欠かせません。
「バター入り」と書かれていても、実際はショートニングやマーガリンが併用されていることが多いのです。
手軽さを取るか、こだわりを取るか。
選択の分かれ道になります。
無添加パン専門店や通販サイトで売っている
マーガリンやショートニング不使用のパンを確実に探すなら、無添加専門店や通販サイトがおすすめです。
冷凍で届き、焼き直して楽しめるタイプもあり、全国どこからでも購入できます。
特に子どもや家族に安心なパンを食べさせたい人は、こうしたサービスを上手に利用すると良いでしょう。
ただし、値段は市販のパンより高め。
それでも「体に入れるものだから」と考えれば納得できる投資です。
さらに、レビューや口コミを参考にすると安心度が高まります。
「素材へのこだわり」を徹底しているかどうかをチェックし、自分が信頼できる店を見つけるのがポイントです。
バター使用と書かれていても注意が必要
「バター使用」と聞くと、つい安心してしまいませんか。
けれど原材料表示をよく見ると、バターと一緒にショートニングやマーガリンが使われているケースが少なくありません。
つまり「バター使用=無添加」ではないのです。
見出しだけで信じるのは危険。
本当に体にやさしいパンかどうかは、裏のラベルを見ないと判断できません。
さらに「発酵バター入り」と強調されている商品でも、他の油脂がしっかり入っている場合もあります。
本物志向でパンを選びたいなら、必ずチェックする習慣を持つこと。
そうすることで、健康を損なわずにパンを楽しめるようになります。

バターは使う時は無塩バターがおすすめです!


ショートニングの危険性は嘘?


ショートニング=悪ではない
ショートニングと聞くと「体に悪い」「絶対NG」と思う人は多いでしょう。
けれどそれは一面的な見方にすぎません。
問題なのは「量」と「習慣」。
毎日ショートニング入りの菓子パンを食べていれば、当然リスクは積み重なります。
けれど、手作りで意識的に使うなら害を最小限に抑えることもできます。
つまり「ショートニング=悪」ではなく、選び方と使い方次第。
敵視するよりも、賢く向き合う姿勢が大切です。
トランス脂肪酸フリーのショートニングを使う
ここ数年で登場しているのが、トランス脂肪酸を含まないショートニングです。
メーカーが改良を進め、従来の弱点をカバーした製品が市場に出ています。
これなら「ショートニング=危険」というイメージも変わってきます。
もちろんゼロだからといって無限に摂っていいわけではありませんが、リスクを減らす工夫の一つにはなります。
パン作りでショートニングを使いたいなら、必ず「トランス脂肪酸ゼロ」や「低減タイプ」を選ぶこと。
そしてバターやオイルと上手に使い分けるのが賢いやり方です。
怖がって遠ざけるのではなく、知識を持って安全なものを選ぶ。
それが健康にも、美味しいパン作りにもつながります。



私自身もショートニングは使いますが、トランス脂肪酸不使用のものを選んでいます。


よくある質問(FAQ)


まとめ
マーガリンやショートニングは、「体に悪いから全部NG」ではなく、選び方と使い方次第です。
問題になるのは、トランス脂肪酸を含む製品を習慣的に摂りすぎること。
これは心疾患や生活習慣病のリスクを高めるとされており、注意が必要です。
一方で、最近はトランス脂肪酸を減らしたタイプのショートニングや改良されたマーガリンも登場しています。
また、バターやオリーブオイル、太白ごま油など、自然由来の油脂を代用する方法もあります。
家庭でパンを作るなら、無理に安価な加工油脂を選ぶ必要はありません。
「何を体に入れるか」を自分で選ぶ姿勢があれば、健康も味わいも両立できます。
パン作りは楽しむもの。
怖がるのではなく、知って選ぶことが安心への第一歩です。







