パンを作ってみたけれど、一次発酵で生地が膨らまないとお悩みの方は必見!
初めてパン作りに挑戦する主婦の方でもわかるように、現役のパン教室講師がわかりやすく解説します。
「なぜ膨らまないの?」と悩まなくて済むコツを、分かりやすく説明しますね。
パン作りの一次発酵が膨らまない時の対処法7選

①温度を正しく調整する
パン生地の一次発酵には適切な温度管理が欠かせません。
イーストが最も活発に働く温度は25℃〜28℃です。
冬場は室温が低すぎて発酵が進まないことがあるので、オーブンの発酵機能を利用しましょう。
温度計を使って正確に温度を測り、季節や室温に応じて調整することが大切です。
温度管理は一次発酵の成功の鍵となるので、しっかりと気を付けましょう。

②イーストが活発か確認する
イーストの状態が悪いと、どんなに他の条件を整えても生地が膨らまないこともあります。
まず、使用するイーストの賞味期限を確認しましょう。
開封後のイーストは1ヶ月以内に使い切るのが理想的です。
活性をチェックするには、35℃のぬるま湯に小さじ1のお砂糖と小さじ1のイーストを入れ、10分後に泡立つか確認する方法があります。
泡が出ないようであれば、新しいイーストに交換する必要があります。
また、ドライイーストとインスタントドライイーストは使用方法が異なるので、パッケージの説明をよく読んで正しく使用しましょう。
イーストの保存は冷蔵庫で行い、大容量を購入した場合は使う分を容器に移し、残りはしっかり密封して冷凍保存をすることをおすすめします。
③水分量を調整する
パン生地の水分量は発酵に大きく影響します。
水分が少なすぎると生地が固くなり、イーストの活動が制限されます。
逆に多すぎるとべたつきが強くなり、グルテンの形成が不十分になり膨らみません。
適切な水分量は、使用する小麦粉の種類や気温、湿度によっても変わってきます。
生地がべたつく場合は少量の強力粉を加えながら調整して、乾燥している場合は霧吹きで少量の水を加えながら軽くこね直します。
理想的な生地は、なめらかで弾力があり生地を伸ばした時に薄い膜ができる状態です。
水分量の調整は少しずつ行い、生地の状態を見ながら慎重に進めましょう。
④生地をもう一度捏ねる
発酵が進まない時は、生地をもう一度こね直すと良くなることがあります。
こね直すことで生地の中の気泡が均等に広がり、グルテンが強くなります。
生地をボウルから出して軽く押してガス抜き、それから生地を伸ばしてたたむ動作を繰り返し、表面がなめらかになるまでこねます。
この作業は5〜10分くらい行いますが、生地の状態を見ながら調整してください。
こね直した後は、もう一度丸めて発酵させます。
ただし、あまり強くこねすぎるとグルテンが壊れてしまうので注意が必要です。
⑤発酵時間を延長する
一次発酵が時間は、環境によって大きく変わります。
レシピに書いてある時間はあくまで目安なので、生地の状態を見ながら調整することが大切です。
発酵が遅い場合は、30分ごとに様子を見ながら発酵時間を延ばしてみましょう。
理想的な発酵状態は生地の大きさが2倍に膨らんでいること。
さらに生地の中心に指を差し込み、穴がゆっくりと戻る程度です。
ただし、発酵しすぎにも注意が必要です。
生地が3倍以上に膨らんだり、指で押すと萎んでしまう場合は発酵しすぎかもしれません。
過発酵になった場合は取り返しがつかないので、発酵時間を延ばす時は定期的に生地の状態をチェックしながら適切なタイミングで次の工程に進むことが重要です。
⑥副材料を見直す
パン生地に入れる砂糖、塩、油などの副材料の量は、発酵に大きな影響を与えます。
特に砂糖と塩は、多すぎるとイーストの働きを弱めてしまい生地が膨らまないこともあります。
レシピの材料の量を確認し、副材料が適切かどうか見直しましょう。
一般的に、イーストの量に対して砂糖は15%以下、塩は2%以下が目安です。
また、油が多すぎると生地が重くなり、発酵が遅くなることがあります。
副材料を減らす場合はパンの味や食感も変わるので、少しずつ調整していくのがおすすめです。
パンの種類によって最適な配合は違うので、何度か作ってみて自分好みの配合を見つけていくことが大切です。
⑦発酵の温度を調整する
発酵の温度を正しく保つことは、一次発酵を成功させる重要なポイントです。
一次発酵の適温は28〜30度ですが、家庭ではこの温度を保つのが難しいことがあります。
冬は暖かい場所に生地を置いたりオーブンの発酵機能を使ったりする必要があります。
夏は逆に、保冷剤を使ったり発酵時間を短くしたりする必要があります。
また、生地の温度も大切で、水の温度を調整して生地全体の温度を適切に保ちます。
温度計を使って正確に管理し、季節や部屋の温度に合わせて調整することが安定した発酵につながります。

パン作りの一次発酵が膨らまない時の原因

1.イーストの状態が悪い
イーストは生き物です。
古くなったり正しく保存されていないイーストは上手く働かないことがあります。
賞味期限が切れていたり、開封後長時間経っているイーストの使用は避けましょう。
イーストの活性をチェックするには、少量のイーストをぬるま湯に入れて、泡が出るか確認する方法があります。泡が出ないときは新しいイーストに替えることをおすすめします。
また、ドライイーストとインスタントドライイーストは使い方が違うので、パッケージの説明をよく読んでから使用しましょう。
2.温度が適切じゃない
パン作りの一次発酵を成功させるためには適切な温度が必要です。
イーストが元気に活動を始めるのは、25℃から28℃くらいの温度です。
冬など寒い時期は、イーストの活動が悪くなり一次発酵に影響を与えることがあります。
逆に夏の暑い時期は、イーストの活動が活発になり発酵の進みが早くなってしまい過発酵になる場合もあります。
温度が低すぎると発酵が遅くなり、高すぎると発酵しすぎてしまうので家の中で温度を調整するのは難しいです。
そんな時はオーブンの発酵機能を使うと良いでしょう。
また、生地を温かいタオルで包んだり、少し暖かい場所に置いたりするのも効果的です。
夏場は涼しい場所や保冷剤を使うのもおすすめです。
温度計を使って温度を把握しましょう。
3.水分が足りない・多すぎる
パン作りでは、水の量がとても大切です。
季節や天気によって、生地に必要な水の量が変わります。
暑い日や湿気が多い日は生地がべたべたしやすく、寒い日や乾燥している日は固くなりやすいです。
生地の感触を確かめながら、水の量を少しずつ調整することが大切です。
最初は難しいかもしれませんが、何度か作るうちにコツがつかめてきます。
水が多すぎても少なすぎても、パンがうまく膨らまないので注意しましょう。
4.生地の捏ね不足
パン生地をこねるのは、とても大切な作業です。
こねることで、小麦粉に含まれるグルテンという成分が発達します。
グルテンは、パン生地を膨らませる気泡を閉じ込める役割があります。
十分にこねないと、グルテンがうまく発達せず、パンが膨らみにくくなってしまいます。
生地をこねるときは伸ばしたりたたんだりを繰り返します。最初はべたべたしていた生地が、だんだんなめらかになってくるのがわかります。
生地を優しく伸ばした時に薄い膜ができるようになれば捏ね上がりの合図です。
手でこねるのが難しい場合は、ホームベーカリーや専用のミキサーを使うのも良いでしょう。
5.小麦の種類
パン作りに使う小麦粉は、強力粉が一般的です。
しかし国産の小麦粉と外国産の小麦粉では、水を吸う量が違います。
レシピ通りの水の量を入れても、小麦粉の種類によっては多すぎたり少なすぎたりすることがあります。
国産の小麦粉は吸水性が悪いので、水は少し少なめに。
逆に、外国産の小麦粉は良く水を吸うので多めにする必要があります。
レシピに「外国産小麦」「国産小麦」と書いてある場合もあるので、使用する小麦粉を確認しましょう。
慣れてくると、生地の感触を見て水の量を調整できるようになります。


パン作りの一次発酵の基本

イーストの確認
パンの一次発酵が膨らまない時は、まずイーストの状態をチェックをしましょう。
簡単なチェックの方法はコップに35度のぬるま湯を入れて、お砂糖を小さじ1、イーストを小さじ1を入れてよく混ぜます。
そのまま10分ほど待ってください。
すると健康なイーストならぶくぶくと泡がたち始めます。
温度管理の確認
家庭用オーブンの発酵機能を使う方は注意が必要です。
実は機械の温度設定と実際の庫内温度には、意外と大きな誤差が生じていることがあります。
オーブン専用の庫内温度計を使い、実際の温度を測定して設定と誤差がないかをチェックしましょう。
ズレがある場合はその誤差を考慮して温度調整をすることが、一次発酵を失敗させないポイントです。

捏ね方の確認
最初は生地を台に擦りつけるように捏ね、生地が手にくっつかなくなったら生地を伸ばしてたたむ動作を繰り返し表面が滑らかになり、優しく生地を伸ばした時に指が透けて見えるようになるまで続けます。
最初のうちは15〜20分ほどかかることもありますが、何度も作っていくうちに手早く捏ねれるようになりますよ。
パン作りの一次発酵で膨らまない時は再利用できて食べれる?

膨らまなかったパン生地を再利用する方法
パン作りの一次発酵が膨らまないからといって、生地を捨てるのはちょっと待って!
膨らまなかった生地でもまだ使えます。
薄く伸ばしてピザ生地にするのがおすすめです!
伸ばした生地をさっとフライパンで焼いたり、軽くオーブンで焼いたりすることで冷凍保存もできます。
失敗した時でも、諦めず再利用してくださいね。
失敗したパン生地を美味しく変身させる方法
ピザ
・生地を薄く伸ばし、トマトソースとチーズを乗せて焼きます。
フォカッチャ
・平たく伸ばした生地にオリーブオイルとハーブをかけて焼きます。
クルトン
・生地を小さくカットして、フライパンにオリーブオイルを多めに入れて揚げ焼きにします。
失敗したと思っても工夫次第で美味しいパンに生まれ変わるので、試してみてくださいね。
一次発酵を失敗させないコツと注意点
パンの一次発酵を成功させるには、いくつかのコツがあります。
まず、温度管理が大切です。イーストが活発に働くのは25℃〜28℃。
寒い日は暖かい場所で、暑い日は涼しい場所で発酵させましょう。
次に、水分量にも注意が必要です。
季節や湿度によって、必要な水の量が変わります。
生地がべたべたしたら強力粉を、固すぎたら水を少しずつ足して調整してください。
イーストの状態も重要です。
古くなったイーストは働きが弱いので、新しいものを使いましょう。
また、塩をイーストに直接触れさせないのもポイントです。
最後に、捏ね方も大切。
生地がなめらかになるまでしっかりこねることでグルテンが形成され、ふっくらとしたパンになります。
これらのコツを意識すれば、パン作りの一次発酵は失敗しにくくなりますよ。

パン作りの一次発酵でベタベタになったらどうする?

ベタベタ生地の原因を理解する
パン生地が一次発酵でベタベタになる理由は、水分が多すぎることが多いです。
季節や湿度によって、生地が水を吸う量が変わることがあります。
特に梅雨時や夏場は空気が湿っていて、生地がべたつきやすくなります。
また、使う小麦粉の種類も影響します。
例えば、外国産の小麦粉は国産のものより水を多く吸う傾向があります。
ベタベタ生地の対処法
水分量を調整する
生地に水を入れるときは、全て一度に入れるのではなく、少しずつ加えてみて、生地の状態を見ながら調整します。
梅雨時や夏場は、最初に使う水を少し減らすと良いでしょう。
小麦粉を変える
外国産の小麦粉を使うと国産のものより水を多く吸うので、べたつきが少なくなります。
パン作り初心者の方は、扱いやすい外国産小麦の使用をおすすめします。
発酵環境を変える
暑くて湿度の高い日は、発酵器を使わずに涼しい場所で発酵させると良いでしょう。
逆に寒くて乾燥している日は、生地が乾燥しないように気をつけ暖かい場所で発酵させましょう。
こね方を見直す
生地をしっかり捏ねることで、べたべたした生地もひと塊りなり扱いやすくなります。
手粉を使う
ベタベタの生地をするときに少量の強力粉を手につけて使うと、生地が手にくっつかず扱いやすくなります。
パン作りのよくある質問と解決策

失敗しないための3つの鉄則

- イーストは冷蔵保存し、1ヶ月以内に使い切る!!
使いきれない時は、密封して冷凍保存。 - デジタル温度計とデジタルスケールを必ず使用する。
- 生地の状態をその都度確認する。
手作りパンを作った時に一次発酵が膨らまないという問題は、正しい知識と少しの工夫で必ず解決できます。
イーストの状態確認、適切な温度管理、正確な計量、十分な捏ね、水分調整など、この記事で紹介した方法を一つずつ試してみてください。
諦めずにチャレンジを続けてくださいね!!